その時代、その土地で、人は生き残るために様々な工夫を凝らして、
自然のエネルギーを摂取可能な状態にして、体に取り込んできたわけだけど。
各地で山の斜面に石を積み上げて、棚田を作った。
山奥にすごいものを作ったなぁ・・・と感心するけど、
当時はそれが不可欠で、当然の生業だったんだね。
ここの棚田のように、現在は耕作放棄地に近い状態となっている場所も多い。
当時の生活スタイルに、必要性がなくなると、
その場所で築かれてきた生産能力も同時に失われていく。
これって日本人は失って良いものなんだっけ?
なんて考えてみても、
管理できない現実がある以上、虚しい。
自分にできることでもないわけで、考えるだけ野暮だよね。
大分県のとある山間部で、
大切なものが失われたのではなく、必要なくなったんだと信じたい。
生産技術から保存技術や物流システムに至るまで、
日本人は知恵を集め、棚田以上の工夫を生んだはずだって。
だからこの棚田は必要なくなったんだと信じたい。
もしそうでなければ、哀しいじゃない。